婦人科

子宮がんには、子宮頸がんと子宮体がんがあります。
子宮頸がんは、子宮の入口付近に生じるがんで、子宮頸部や頸管の上皮から発生します。子宮体がんは、子宮の奥の子宮体部内側にある子宮内膜から発生するがんです。
子宮がんは、乳がんとともに女性に発生頻度の高い代表的ながんです。年に1度は検診をお受けください。短時間で済む検査です。
なお、当クリニックでは、小山市と近隣市町の公的子宮がん検診も行っております。集団検診(バス検診)は日時が限られるため、月経やお仕事の都合で受診しにくく、受診環境が不快に感じられる方々もいます。クリニックでの検診(個別検診)なら、診療日に受診券を持参いただければいつでも受診でき、プライバシーも配慮されゆったりと検査を行えます。受診券は市役所健康増進課にお電話すればすぐに発行されますので、ぜひご利用ください。

[参考]　子宮頸がんの検査には、子宮頸部の細胞を採取する細胞診と、がんの原因となるHPVというウイルスの有無を確認するHPV検査があり、これら2つの検査を併用することで子宮頸がんの見逃しが極めて少なくなります。細胞診、HPV検査ともに陰性の場合、少なくとも3年間は子宮頸がんになることはほとんどありません。小山地区の公的子宮がん検診は、この「細胞診・HPV-DNA検査併用健診」を採用しています。

下野新聞掲載記事

近年、女性のがんによる死亡原因の中で、乳がんは胃がんを抜き1位となりました。
当クリニックでは、無症状の方の乳がん検診を視触診、超音波診断にて行っております。超音波診断は、最新の超音波検査装置を導入しています。
乳房にあきらかな疼痛、しこりなどの症状のある方は、専門医療機関である乳腺科を受診してください。

普段あまり意識されない卵巣や卵管ですが、実は重い月経痛や不正出血の原因となる病気が潜んでいることがあります。
卵巣にできる腫瘍には良性のものと悪性のものがあります。悪性度が比較的低い、境界悪性腫瘍と呼ばれる卵巣腫瘍もあります。
卵巣がんは症状を自覚しにくいため、発見が遅れがちになります。早期発見に有効な方法はまだありませんが、腹部に違和感があった場合には、早めに婦人科を受診することが大切です。
下腹部にしこりを触れる、圧迫感があるなど、気になる症状がある場合はまず検査を受けてみましょう。

月経異常、摂食障害など

体の成長過程に生じるさまざまな異常に対処します。思春期外来では、小児から20歳くらいの女性の産婦人科の病気の診療にあたり、思春期の女性に配慮した診察を行います。
小児科や内科などの診察が必要な場合には、適切な医療機関をご紹介させていただきます。

子どもが欲しいと思いながらなかなか妊娠しない場合は、早めに検査をすることをお薦めいたします。まず、不妊原因の検査を行い、その検査結果に基づき、治療を開始します。当クリニックでは、一般不妊治療(タイミング法・人工授精など)を実施しておりますが、体外受精・顕微授精など高度な治療が必要であると考えられる場合には、対応可能な連携施設へご紹介させていただきます。

ホルモン補充治療、骨粗しょう症検査・治療、特定健診

40代後半からの女性ホルモンの減少に伴い、女性にはさまざまな症状が生じます。女性ホルモン欠落症状の代表的なものは、いわゆる更年期障害です。体のほてりや発汗(ホットフラッシュ)、月経不順、気分の障害(うつ傾向)などが代表的な症状です。その後、骨粗しょう症や高脂血症、排尿障害・尿失禁、記憶力や認知機能の障害などが生じてきます。ホルモン補充療法や骨粗しょう症治療薬、高脂血症治療薬、自律神経調整薬や漢方薬などで治療しますが、必要があれば精神安定剤等も処方いたします。
中高年女性のヘルスケアにおいて、生活習慣病の予防・早期発見・適切な治療のために、健診を受けられることが大切です。当クリニックでは特定健診も行っております。その結果、内科など他科の診察が必要な場合には、適切な医療機関をご紹介させていただきます。

性感染症は無症状であることも多く、症状が軽く気がつかないことがあります。また、自覚症状があっても医療機関を受診しにくいこともあり、適切な治療が行われずに、感染が他の人へ広がってしまうことが心配されます。
生殖年齢にある女性が罹患した場合には、妊娠によってお腹の赤ちゃんや出生した新生児に感染し、母子感染として次世代に影響がおよぶことがあります。性感染症の重大な注意点です。
性感染症は、正しい知識と予防、罹患した場合には早期発見と早期治療が重要となります。

旅行や結婚式、学校行事や受験の際に、月経時期をずらすなど

月経は、女性の日常生活や社会生活に不便をもたらすことがあります。旅行や結婚式、学校行事や受験などに月経が重ならないことを望まれるときはご相談ください。安全なホルモン剤の服用で、月経時期を容易に、確実にずらすことができます。お気軽にご相談ください。

月経周期とコンディション、服薬相談(ドーピング違反相談）、無月経等に対応

部活動や競技スポーツにおける月経周期の移動やとコンディションの調整、ドーピング違反に抵触する薬剤の服用等について、女性アスリートを支援しております。過酷なトレーニングに伴う無月経や骨粗しょう症など、女性アスリート特有の問題にも対応させていただきます。

当クリニックは、「一般社団法人　女性アスリート健康支援委員会」の登録医療機関です。

当クリニックでは、下記の予防接種を行っています。

インフルエンザワクチン

妊婦さまとそのご主人についてのみ、接種を行っております。

子宮頸がん予防ワクチン

子宮頸がんの原因であるHPV(ひとパピローマウィルス)の感染を防ぐための予防注射です。世界130か国以上で接種が行われ、確実に効果が認められており、安全性も確認されております。世界保健機構(WHO)や日本産科婦人科学会等の学術団体も、積極的に接種することをお薦めしています。定期接種は中学生女子が接種対象年齢で、無料で接種できます(この接種時期を逃すと、費用は自費となり約5万円かかります)。将来娘さんが子宮頸がんで苦しむことがないように、ぜひ接種をご検討ください。

風しんワクチン、MRワクチン(麻しん・風しん混合ワクチン)

栃木県にお住まいの方には風しん抗体検査の費用の助成があり、無料で検査が受けられます。
抗体価が低値で感染のリスクがある方には、予防接種を行います。予防接種にも公費助成があります。

栃木県　風しん抗体検査のページ

下野新聞掲載記事

小山市では、抗体検査により検査値が低値であると判明している方のうち、次のいずれかに該当する方で、将来出産を希望している成人女性の対象者に、予防接種費用の半額助成を実施しています。

• 妊娠を予定または希望している49歳以下の女性とその夫
• 妊娠している女性の夫

小山市　風しん予防接種のページ

当クリニックでは比較的小さな手術を行っています。高次医療機関(自治医科大学附属病院・獨協医科大学病院など)での手術が適切な疾患については、これらの病院に手術を依頼しております。